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【鯖尾ノート】日本保守党 政策14.ガソリン税減税

14.ガソリン税減税

2023.12.28
最近、ガソリン税の「トリガー条項凍結解除」云々についてのニュースがよく報道されていました。コロナや世界情勢の不安定化に伴い、ガソリン価格の高騰が消費者への負担を大きくしていたからです。


さて、日本保守党の政策では「ガソリン税減税」としかありません。
つまり、「トリガー条項凍結解除」というような時節的な対策というよりは、そもそも「ガソリン税を安くしよう」という政策なのだと思います。
そうなると、あとは単に税率をどうするかという議論になるわけですが、それでは大した勉強にはならず、この項が寂しくなりますので、「トリガー条項凍結解除」という視点もふまえて、ガソリン税について調べていきたいと思います。


【ガソリン税の法律】

ガソリン税の担当省庁はもちろん「財務省」です。

財務省さん。信用はしていませんが、応援はしていますw

財務省HPトップ画面


※基本となる法律

そもそものガソリン税に関する法律(本則)は、
「揮発油税法」「地方揮発油税法」です。


税率(本則税率)については、それぞれ、
 >>> 揮発油税法 | e-Gov法令検索
『第九条 揮発油税の税率は、揮発油一キロリットルにつき二万四千三百円とする。』
つまり、1リットル当たり24.3円。


 >>> 地方揮発油税法 | e-Gov法令検索
『第四条 地方揮発油税の税率は、揮発油一キロリットルにつき四千四百円とする。』
こちらは、1リットル当たり4.4円。


合計で
本則課税では、1リットル当たり28.7円のガソリン税が付加されることになります。


※ガソリン税増税とトリガー条項

ところが、その後、次の法律で(特別措置として)増税されています。
そして、これが現在適用されている税率です。


 >>> 租税特別措置法 | e-Gov法令検索
(揮発油税及び地方揮発油税の税率の特例)
『第八十八条の八 平成二十二年四月一日以後~、当分の間、揮発油一キロリットルにつき、揮発油税にあつては四万八千六百円の税率により計算した金額とし、地方揮発油税にあつては五千二百円の税率により計算した金額とする。』
合計すると、1リットル当たり53.8円となります。


また、同法では、いわゆる「トリガー条項」が次の通り定められています。
(揮発油価格高騰時における揮発油税及び地方揮発油税の税率の特例規定の適用停止)
『第八十九条 前条の規定の適用がある場合において、平成二十二年一月以後の連続する三月における各月の揮発油の平均小売価格がいずれも一リットルにつき百六十円を超えることとなつたときは、財務大臣は、速やかに~(中略)、同条の規定の適用を停止する。』


つまり、
「レギュラーガソリン小売価格が3か月間連続で160円を超えていたら、53.8円ではなくて、本則課税である28.7円にする。」ということです。
トリガー条項が適用されれば、
レギュラーガソリン1リットルあたり25.1円安くなります。


例えば、ガソリン価格が176円(税別160円)だとします。
あなたの車が満タン50リッターだとすると、8,800円かかります。
これが、トリガー条項が適用されると、7,420円になります。
つまり、1,380円安くなるわけです。


ちなみに、現在のレギュラーガソリン小売価格の全国平均は消費税別で159円(資源エネルギー庁発表2023/12/25)です。


※トリガー条項凍結
しかし、このトリガー条項が、東日本大震災の結果、凍結されることになります。


 >>> 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律 | e-Gov法令検索


(揮発油価格高騰時における揮発油税及び地方揮発油税の税率の特例規定の適用停止措置の停止)
『第四十四条 租税特別措置法第八十九条の規定は、東日本大震災の復旧及び復興の状況等を勘案し別に法律で定める日までの間、その適用を停止する。』


ということで、ガソリン価格の上昇が継続しても、トリガー条項が適用されることはなく、1リットル当たり53.8円が課税されています。


【原油価格上昇時の政府の対策】

コロナやウクライナ戦争などが原因となり、原油価格が高騰してきたことを受けて、政府は消費者への負担を軽減するために、「トリガー条項凍結解除」ではなく、次のような対応策をとってきました。


<ステップ1>
令和3年、ガソリンのリッター平均価格が170円を超えた場合、5円を上限に元売事業者等に補助金を支給


<ステップ2>
令和4年、上限を5円から25円に引き上げる


<ステップ3>(現在有効な対策)
基準価格を168円に引き下げ、支給幅を35円に拡大し、35円を超過する分についてもその2分の1、を元売り業者へ補助金として支給する
「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」


今日現在のところ、基準価格に達していないため、この対策は適用されていません。


【ガソリン税減税の良い方法は?】


「トリガー条項の凍結解除」は、良い方法なのでしょうか?
トリガー条項が適用されるためには、ガソリン価格高騰が3か月継続しなければ発動されません。その間、消費者は高いガソリン代を払い続けなければなりません。これでは即応性に欠けます。
基準価格や原則税率がこのままでいいのかということは別として、発動条件を1か月に短縮するといった法改正はどうなんでしょうか。
短期間で大きな価格変動を伴う場合、買い控えなどがおきます。ただし、個人が購入するガソリンに限っては、買い控えたり、買いだめしたりということはできません。
産業用に使用されるような場合でも、原油価格や為替の変動により、常に価格変動は起きているわけですから、トリガー発動による影響をそれほど問題視する必要があるのかは疑問です。
政府も財務省も、本音はやはり「減税」はしたくないのでしょう。
いったん税金として懐に入れてから「国民に与える」ほうが、政治家や財務省の方たちにとっては、自らの存在意義を示すことができるのでしょうから。


では、
「元売り事業者に補助金を支給」のほうはどうでしょうか?
補助金というのは、お金が還流する分、どうしても「余計なコスト」がでてしまいます。
例えば、国から補助金が1兆円あったとしても、実際にガソリン価格が合計1兆円分安くなるわけではありません。


政府は現在も、他により良い方法がないか「検討」しているようです。




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