日本保守党を理解したい

シンジャかシジシャか?

理解し、確固とした信念をもって支持する。
きっと日本は良くなる。

【鯖尾ノート】日本保守党 政策28.電気自動車への補助金廃止~

28.電気自動車への補助金廃止(日本の自動車産業の不利益をつくらない)


2024.2.11


「電気自動車(EV車)を普及させるために補助金が必要な理由」


考えたことはあるでしょうか?


「CO2削減のためにEV車を普及させたいから」ということではありません。
「なぜEV車を普及させるために補助金が必要なのか」ということです。



もし、
エンジン車よりEV車のほうが、価格(生産コスト)が安いのであれば、
⇒補助金を充てなくてもEV車は普及するはずです。


もし、
エンジン車よりEV車のほうが、利便性や効率性が高いのであれば、
⇒補助金を充てなくてもEV車は普及するはずです。



例えば、iPhoneはすごく高いですが、じゃんじゃん売れています。
appleの時価総額は今や2.92兆USD(432兆円)です。
トヨタが約54兆ですので、トヨタの8倍の時価総額です。
もちろん、iPhoneの開発や購入支援として国から補助金が出ているわけではありません。


なぜでしょうか。



【EV車は安くならない】

補助金があるので、本来のEV車価格よりは安く手に入れることはできます。
ですがその補助金を払うために税金が使われています。


いったい誰が払った税金なのでしょうね。


※EV車販売の現状

以下にご紹介するデータによると、
2022年のEV車の販売台数は約3万1600台で、乗用車全販売数222万3303台のうち1.42%しかありませんでした。(円グラフの水色がEV車)

>>出典元:EV販売台数©TEPCO Energy Partner, Inc.


ちなみに、
HEV(ハイブリッド)は49%
PHEV(プラグインハイブリッド)は1.7%です。
ハイブリッドの販売率が全体の50%を越えています。


HEV購入に補助金はでませんが、PHEVは補助金対象です。


PHEVは、HEVに充電機能をつけて電気走行の距離をさらに延ばすという技術だそうです。
HEVの後継技術のようなものですから、HEV同様にこれから伸びてくるかもしれません。


一方、EVは数年前から存在していて、補助金があるにもかかわらず、その売り上げは伸び悩んでいます。


※EV車が売れない理由

・マンションだと充電設備がない
・充電ステーションが少ない
・使用用途が限定的(一充電あたりの走行距離が短い)
・補助金を考慮しても高い
・寒すぎると走らなくなる(地域限定)
などでしょうか。


結構、課題が多いですね。
総合してみても、EV車の用途は限定的だということです。


ちなみに価格についてですが、軽クラスのEV車は250万円、一方軽自動車は150万程度です。軽EVは軽自動車より1.6倍で100万円も高いことになります。
軽EV車の補助金は55万ですから、補助金を差し引くと195万円ですから軽自動車との差額は45万円。
ガソリン軽自動車の燃費は25km/L~29km/L程度ですから、ガソリン価格が160円/Lだとしたら、その45万円の差額で、だいたい7万~8万km走ることができます。
補助金を支給することによって、価格面でEV車のデメリットを打ち消しているとも言えますね。


※EV車が高い理由

>>電気自動車はなぜ安くならないのか? - webCG
EV車自体の動力機構はガソリン車に比して簡単なのだそうです。それでも高いのは、リチウムイオン電池(LiB)が非常に高価だからだそうです。
また、LiBにはレアメタルなども使っています。レアメタルなどは文字通り「レア」なのですから価格は下がりません、むしろ需要が上がると価格も高騰します。


※リチウム電池にまつわる問題

LiBに使用する正極材料のうち、多くのものにはコバルトが使われていますが、これは安全な金属ではありません。コバルトによる健康障害として、接触性皮膚炎や気管支喘息、間質性肺炎などがあります。
コバルトはコンゴ民主共和国で多く(世界生産量の約7割)生産されていますが、採掘に児童労働がおこなわれていることがわかり、AMNESTYによって報告されています。


この問題を解決するために、生産コストがさらに上がるのは必然です。


そのうえ、廃棄時には有害物質による汚染対策が必要となるため、廃棄にも高いコストがかかることになります。


「生産台数が増えたら生産コストが下がる」というのが一般論ですが、LiBを使用したEV車の場合は、そうはならないだろうということが容易に予想できます。


EV車が安くならないということは、EV普及支援をする限り、補助金もなくならないということです。補助金の財源は税金ですから、EV車普及をこのまま推し進めていくということは、少なくとも税金が下がることはありません。



【補助金の予算】

※購入補助金

令和6年度の新車EV購入のための補助金は、1291億円の予算がたてられています。
>>令和5年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」【約1,291億円】


この補助金予算の目的は、
「「グリーン成長戦略」等における、2035年までに乗用車新車販売で電動車100%とする目標の実現に向け、クリーンエネルギー自動車の普及を促進する。」ことだそうです。


10年後には、日本が誇る自動車エンジン関連の諸々の裾野の広い二次産業を破壊し、乗用車のエンジン技術を途絶えさるのが国家の目標なのだそうです。


EV車は万能ではありません、


EV車かガソリン車かの選択は消費者のニーズ次第で自由なはずです。
いつから日本は、こんな金正恩や習近平がやるような押し付けの目標を決めるようになったのでしょうか。
他人の選択の自由を奪うなんて、下等で卑劣な人間のすることです。


※インフラ補助

また、インフラ整備のために約500億円の予算が充てられます。


>>令和5年度補正予算・令和6年度当初予算案「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」【約500億円】



※研究開発支援

もちろん、この補助金以外にもEV研究などへの補助金が出ています。


こういったこと自体には、鯖尾は反対しません。
日本の国内産業技術イノベーションを目指した国民による投資です。
これは「EV車」の開発支援というよりも「EV電池」の開発支援ですので、ハイブリッド車にも積める電池なのだと思います。また、国内生産強化といった側面も、雇用確保につながるので、一般的には良いことだと考えられます。
世界に誇るトヨタさんの実現力に期待しています。


しかし、トヨタさんは、補助金が無くても十分に取り組めるだけの資本は持っています。
政府がトヨタに補助金を出したのは、外資補助金(サムスンへの200億円)をカモフラージュするためなのかもしれません。



【日本がEV化すると】

※日本を支える自動車製造業

2021年の名目GDP541兆円のうち、その約1割にあたる56兆円が自動車関連産業によるものだそうです。


(以下、基幹産業としての自動車製造業 | JAMA - 一般社団法人日本自動車工業会からの抜粋です。)
『また、自動車製造の設備投資額は1兆3,940億円となり、主要製造業において2割を超える割合を占め、研究開発費は3兆5,768億円と3割を占めています。また、2022年の自動車輸出金額は17.3兆円、自動車関連産業の就業人口は554万人にのぼります。このように自動車産業は、日本経済を支える重要な基幹産業としての地位を占めています。』


前項までで説明した通り、「100%EV化」ではエンジン部品などの産業は衰退します。
自動車産業界が隆盛することはありません。



【日米半導体協定の轍】

「100%EV化」という目標は日本以外の国を利するのにも役立ちます。
EV車はでっかいラジコンカーのようなものなので、エンジン車に比べれば製造は簡単です。
ご存じの通り、中国にはガソリン車製造の技術が乏しいようですので、日本の優秀な自動車会社がガソリン車の生産から手を引いてくれるのなら、中国国内はもとより、日本国内、世界各国での中国車の競争力が今よりも高まります。
また、中国はEV生産に膨大な国費を投入していますので、価格競争力も高く、発展途上国においても優位に立てるのは自明です。


日本EV化⇒
日本エンジン産業・技術の衰退⇒
日本エンジン産業への外資参入、外国への技術移転⇒
いずれEVブームは終了⇒
そのころ最新エンジン技術は日本にはない


こういった流れは、「日米半導体協定 - Wikipedia」によって日本の半導体産業が衰退したときと似たような産業や経済の衰退を生みます。
この日米半導体協定によって、日本は産業イノベーションの成果を逸失し、「失われた30年」と言われる長期的な経済衰退への道をたどることになりました。
日米半導体協定は日米間の協定ですが、脱炭素は「パリ協定」によるものです。


金融政策をいくらやったとしても、産業イノベーションや、事業効率・生産効率の向上などが無ければ経済は発展しません。金融政策による信用創造は、単に借金を増やして寿命を延ばすだけの一時の処置でしかありません。


この先、日本はEVシフトによって、まさに日米半導体協定以降の日本と同様に衰退の轍を踏むことになります。
これは鯖尾の予言などではなく、前述のような歴史で証明された「自明の理」なのです。


日本を支えている産業が衰退するなら、そのツケを払うのは日本国民であることに、国民がもっと意識を向ける必要があるのではないでしょうか。
もちろん、日本衰退を希求している方は「100%EV車」を支持してください。日本は自由の国ですから、どう考えるかは個人の自由です。



【補助金は税金】

繰り返しになりますが、補助金は国民の税金です。


この税金は、民間企業で活動する人たちの労働あるいは経営の成果によって得られた、利益や給与から差し引かれているものです。
(決して公務員や準公務員、あるいは補助金で成立しているNPO等が払っている税金ではありません。それらはそもそも民間人、民間企業から徴収した税金です。)


自動車産業は日本国の財産です。
現在、政府がおこなっている「補助金なしでは成立しない無理なEV化」がもたらすものは、自動車産業の衰退という悲しい未来を招きます。
また、多くの補助金を廃止することができれば、国の借金も、税金もこれ以上増やす必要がありません。
さらに、減税までこぎつけることができれば、国民全員(公務員も含む)の可処分所得が増えます。
つまり日本国民が豊かになります。


【経済相互主義を】

鯖尾自身は自由主義経済を支持していますから、経済活動自体への政府や行政の介入ということには基本的には賛成ではありません。民間企業に対する規制、特定業種の保護、補助金というのは、なるべくしないほうが良いと思っています。


しかし、グローバル経済においては、相手国によって日本だけが不利になる場合があります。
具体的には、相手が中国や韓国、北朝鮮、イラン、ロシア、あるいは租税逃避国などの場合です。
これを防ぐためには、経済相互主義の立場をとらなければなりません。
①保護主義をベースとして相手国ごとにFTAやEPAで自由経済をおこなう。
②自由主義をベースとして相手国ごとに制限を加える。
かのいずれかの方法がとれると考えられます。
①のほうが、外交上の反発や手続きも少なくできそうですし、行政機構としても簡素化できそうです。


相手国の政治機構や情勢、経済の先進状態、経済開放の状態、日本との外交・安全保障などの関係性をもって制限をつけるという政策は、グローバル経済における公平性の観点からも鯖尾は支持しています。








>End
#日本保守党 #経済安全保障 #EV補助金 #経済相互主義